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~coffee break~
カンボジア最新情報(2023.06)

 スォスダイ!関西ActualizersのEllyです。
 今回も、カンボジアに関するさまざまなお話を皆さまにお届けしたいと思います。私のカンボジア生活も7年目になり、随分と暑さに対する耐性がついたと思っていたのですが、今年は3月下旬から1ヶ月以上も暑い日(最高気温が40度近く!)が続き、本当に身体に堪えました。5月半ばに入って雨季になり、体感温度45度の日々から漸く解放され、ホッとしました。

 5月5日から17日にかけて、カンボジアでは東南アジアのオリンピックといわれる「東南アジア競技大会」、Southeast Asian Games(略してSEA Games)が開催されました。

カンボジアの街のイメージ

カンボジアの街のイメージ街中に現れた公式キャラクターの看板やバナー

 このSEA Gamesは1959年に第1回大会が開催され、それから64年経過した第23回となる今大会で初めてカンボジア開催となりました。このような大きな国際スポーツ大会自体、カンボジアで開催されることが初めてでした。正に国が平和になり、発展した証といえます。カンボジア政府も「SPORTS LIVE IN PEACE」という平和を強調したモットーのもと、この大会を準備してきました。プノンペンの中心地から少し離れた場所に約15ヘクタールもの大きさの新国立競技場が建設され、この競技場を中心に各地で37の会場、500種目以上の競技が行われました。東南アジア11ヵ国、およそ1万2千人の選手や関係者が参加し、国内は大変な盛り上がりでした。また、期間中は交通渋滞が見込まれたため、公立および一部の私立学校が1カ月ほど休校になるなど、国をあげての大イベントでした。開会式と閉会式には、7万5千席がほぼ埋まるほどの多くの人々が競技場に集まり、花火や立体映像、ダンスなど、とても見ごたえのある内容だったようです。

カンボジアの街のイメージなかなかたどり着かない広い競技場
(カンボジア人もトゥクトゥク、車で移動)

 正直なところ、私はあまりスポーツに詳しくなく、興味がなかったのですが、周りの盛り上がりに乗せられ、段々と「見てみたい」という気になり、観戦チケットを持っていなかったにも拘らず、とりあえず雰囲気を味わおうと会場に行ってみました。その日は日曜日で朝からテニスの試合が行われる、という情報だけを頼りに、いざ会場へ。自宅からトゥクトゥクで30分以上かけて、たどり着いた競技場は本当に広く、中国からの支援を得て建設された巨大テニスコートまでも、かなり歩くはめになりました。やっとの思いで到着すると、幸いチケットを持っていなくても観戦できることが分かり、早速私も中に入ってみました。

街のイメージセキュリティーチェックが無かったテニス会場

 何のセキュリティーチェックも無く(!)すぐに観客席に着くことができました。ちょうど男子のシングルス準決勝が始まったところで、テニスの試合を会場で見ることは初めてだったのですが、間近で迫力を感じました。この試合はベトナムとカンボジアの選手の対決で、観客席もカンボジアの選手の応援に駆け付けた人が大勢いました。とにかく賑やか、派手に応援するというカンボジアらしい風景を目の当たりにしました。テニス観戦にはマナーがあると思うのですが、そんな事は一切気にしません。ラリー中にも動き回る人が続出で、お菓子や軽食をバクバク食べながらピクニック状態で応援する家族や、タンバリンと太鼓替わりにしたバケツをドンドンと叩く応援団がいました。

街のイメージ競技場内の様子街のイメージ自由な応援スタイルの観客席

 掛け声は「ゴーゴー、カンボジア!」で、まるで野球かサッカーの応援のようで、ビックリしました。でも一生懸命、大きな声援を送る姿を見ていると、これはこれでカンボジアらしくて良いと思いました。テニスのカンボジアチームの監督はフランス人で、コーチや関係者もフランス人が多いです。そのため、応援席には在住フランス人もカンボジアの応援に合わせて、「ゴーゴー、カンボジア!」と大きな声を送っていました。たぶん、フランスで開催される試合では、このような応援はしないだろうと思いつつも、皆んなで応援する一体感を存分に味わうことができました。残念ながら、この試合はカンボジアの選手が負けて、3位の銅メダルでした。

街のイメージ満席の閉会式(友人の写真)

 今回のSEA Games では、オリンピックではまだ正式に承認されていない競技のチェスやペタンク、セパタクローなどの試合もあり、恥ずかしながら初めて知るスポーツが沢山ありました。また、『ムエタイ』を今大会ではカンボジアの国技として『クンクメール』という名称に変更したことによって、隣国タイから反発を受けるなど起源論争も話題となっていました。それからブレイクダンスも競技種目にあったのですが、カンボジアにもブレイクダンスの選手がいることに驚きました。日本のダンススクールが選手育成を支援し、代表選手は大阪で強化合宿をしていたそうです。残念ながら、今回はメダルを獲得することはできませんでした。

 私がテレビの中継を見ていて特に面白いと思った競技は、英語で「Jiu Jitsu」と呼ばれるデュオシステムとショーシステムという2つの柔術でした。攻撃と防御に分かれ、攻防の速さや正確さ、美しさを競う表演競技なのですが、模擬的なナイフのようなものを用いて、ちょっとした寸劇の要素もあり、とても迫力のある演技に圧倒されました。

街のイメージ看板にもアンコールワット
(マラソンはアンコールワットで開催)
街のイメージ大人気のオフィシャルグッズ店

 最終的に、カンボジアはこの大会で合計81個の金メダルを獲得し、総合的に4位という結果に終わりました。この地で開催できたということだけでなく、これまでのSEA Gamesで最も多くの金メダルを獲得することができた、という歴史的な大会となりました。引き続き、6月上旬からはパラゲームも開催されます。次にカンボジアでSEA Gamesが開催されるのはいつになるでしょうか(次回2025年は、タイで開催予定)。また、中国から莫大な支援を受けて建設したあの巨大な競技場がどのように活用されていくのかも注目していきたいと思います。


関西Actualizers(アクチュアライザーズ) プロフィール

2015年4月設立。経験を通じて、「海外留学や海外生活を考えている人たちの背中を押したい」と考える関西のグループです。 海外生活をする、外国人を迎え入れることにあたって知っておくと良い事や役立つ情報などを発信しています。
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