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中小製造業にオススメ!システム導入に活用できる補助金2025

中小製造業にオススメ!
システム導入に活用できる補助金2025
    2025.08.28

 
 製造現場におけるDXの推進は、競争力の強化と生産性向上に不可欠です。特に中小製造業においては、限られたリソースの中でいかに効率的にIT化を進めるかが課題となっています。こうした状況の中で、国や自治体が提供する補助金制度は、企業の成長や変革を後押しする重要なツールとなっています。本コラムでは、2025年時点で中小製造業がシステム導入で活用できる主要な補助金制度を紹介し、それぞれの特徴や採択のポイントを解説します。

 

Ⅰ.補助金制度の役割とは?

 補助金とは、国や自治体などが企業の取り組みに対して資金を支援する制度です。返済義務がないため、企業にとってはリスクを抑えながら新しい挑戦ができる貴重な資金源です。特に製造業では、設備投資やシステム導入に多額の費用がかかるため、補助金の活用は経営戦略の一環として非常に重要です。

 

Ⅱ.中小製造業向け主要補助金早見表(2025年版)

中小製造業向け主要補助金早見表(2025年版)

 

Ⅲ.各補助金の特徴

A.ものづくり補助金

ものづくり補助金2025(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業や小規模事業者が革新的な新製品・新サービスの開発、生産性向上、海外展開などを行う際に必要な設備投資を支援する制度です。補助率は中小企業で1/2、小規模事業者で2/3。補助上限額は最大3,000万円(グローバル枠)まで設定されており、賃上げ特例を活用すればさらに増額されます。

◆採択のポイント
生産性向上の観点で生産管理システムの導入も対象となりますが、3〜5年の事業計画で付加価値額や給与支給総額の成長率を明示することなど、形式不備を避けるため提出資料のルールを厳守することが重要です。また、従業員数が0名の法人は申請不可となるなど、要件の厳格化にも注意が必要です。制度を効果的に活用するには、専門家の支援を受けながら、補助金ありきではなく自立した事業計画を立てることが成功の鍵です。

活用例:新型加工機の導入、基幹システムの構築、試作品開発の外注費
参照:『ものづくり補助金総合サイト



B.IT導入補助金

IT導入補助金2025(正式名称:サービス等生産性向上IT導入支援事業)は、中小企業や小規模事業者が業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するために、ITツールを導入する際の費用を支援する制度です。主に通常枠とインボイス枠があり、通常枠の補助率は最大2/3、補助上限額は最大450万円です。導入するITツールは、事前に登録された「IT導入支援事業者」から選定する必要があります。申請は電子申請のみで、事業計画書や財務資料などを提出します。

◆採択のポイント
単なるツール導入ではなく、業務上の課題を明確にし、それに対するITの効果を定量的に示すことが重要です。例えば、顧客管理の属人化を解消するCRM導入や、勤怠管理ソフトによる残業時間の削減、生産管理システム導入を通じた在庫金額の削減など、具体的な成果が見込める計画が採択されやすくなります。

活用例:生産管理システムの導入、クラウド在庫管理システムの導入、社内DX研修の実施
参照:『IT導入補助金2025


C.新事業進出補助金(旧:事業再構築補助金)

新事業進出補助金2025は、中小企業や小規模事業者が既存事業とは異なる新たな事業へ進出する際の設備投資や事業構築を支援する制度です。補助率は1/2で、補助上限額は従業員数に応じて最大9,000万円(賃上げ特例適用時)まで設定されています。補助対象経費には、機械装置・システム構築費、建物費、技術導入費、クラウドサービス利用費、広告宣伝費などが含まれます。

◆採択のポイント
「新市場性」や「高付加価値性」が認められる事業であることが重要です。事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額の年平均成長率4%以上、給与支給総額の年平均成長率2.5%以上増加などの要件を満たす必要があります。また、事業場内最低賃金が地域最低賃金+30円以上であることや、ワークライフバランス要件の達成も求められます。制度を効果的に活用するには、既存事業との違いや社会的な新規性を明確にし、金融機関や専門家と連携した実現可能な事業計画を策定することが重要です。新製品の製造で中核となる生産ラインを管理するといったことを目的に、生産管理システムの導入費用やクラウドサービス利用料も補助対象となりますが、あくまで新市場への進出が主眼となる点に注意が必要です。

活用例:工場の一部を新製品ラインに改修、新規事業の立ち上げに伴う設備投資、新ブランドの広告展開
参照:『中小企業新事業進出補助金


D.中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金2025は、人手不足に悩む中小企業や小規模事業者が、業務の自動化・効率化を目的とした設備やシステムを導入する際に活用できる補助制度です。補助率は中小企業で最大1/2、小規模事業者で最大2/3。補助上限額は一般型で最大1億円、カタログ型で最大1,500万円です。一般型では自社に最適な設備を自由に選定でき、カタログ型では登録済みの製品から選ぶことで申請手続きが簡素化されます。

◆採択のポイント
現場の課題に即した省力化設備の導入で、売上拡大や生産性向上、賃上げにつながる計画を立てることが重要です。例えば、通信販売業者が自動梱包機と倉庫管理システムを導入して出荷効率を向上させたり、自動車部品メーカーがAI搭載の外観検査装置を導入して品質管理を強化したりするなどの事例があります。制度を効果的に活用するには導入設備の選定だけでなく、事業計画の具体性と実現可能性を高めることが採択の鍵です。販売事業者や専門家と連携し、補助金を成長戦略の一環として位置づけることが重要です。なお、一般型においては開発を必要としないパッケージシステムの導入は補助対象外です。自社向けのカスタマイズ等個別仕様を伴ったシステムの導入が対象となる点に注意が必要です。

活用例:自動搬送ロボットの導入、AI検査システムの導入、IoTセンサーによる稼働監視
参照:『中小企業省力化投資補助金


E.業務改善助成金

業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が事業場内最低賃金を30円以上引き上げることを条件に、生産性向上に資する設備投資や業務改善を行った場合、その費用の一部を国が助成する制度です。令和7年度は最大600万円まで助成され、申請は年度内に1回まで可能です。助成率は事業場内最低賃金に応じて変動し、1,000円未満の場合は4/5、1,000円以上の場合は3/4となります。対象経費には、POSレジや業務管理ソフト、特殊車両、コンサルティング費用、教育訓練などが含まれます。

◆採択のポイント
賃上げの継続性と業務改善の具体性を事業計画に明記することが重要です。制度を効果的に活用するには、助成対象となる設備や人材投資の選定だけでなく、賃金台帳や就業規則の整備など、申請書類の正確性と整合性が採択の鍵となります。

活用例:原料充填機の導入、ベルトコンベアの導入、生産管理システムの導入
参照:厚生労働省『業務改善助成金

 

Ⅳ.補助金選びのポイント
  ~システム導入には採択率の高いIT導入補助金がおすすめ!~

 補助金は「どれでも使える」わけではなく、目的や事業内容に応じて選定する必要があります。下記の観点で選ぶと効果的です。
 ◆目的別
 ・新事業展開 ⇒新事業進出補助金
 ・業務効率化 ⇒IT導入補助金、ものづくり補助金、省力化補助金、業務改善助成金
 ・設備更新  ⇒ものづくり補助金
 ◆規模別
 ・小規模投資 ⇒業務改善助成金、IT導入補助金
 ・中規模投資 ⇒ものづくり補助金、省力化補助金
 システム導入で補助金を迷われている事業者は、申請難易度が比較的低く、採択率が比較的高いIT導入補助金がオススメです。

システム導入は補助金を効果的に活用しよう!

 中小製造業がアナログ業務や属人化などの課題を限られたリソースで改善するためには、システム導入が欠かせません。しかし、費用の観点から導入に踏み切れない企業も多いはずです。そんな中、補助金制度はシステム導入をサポートする強力な支援策ですので、積極的な活用をオススメします。一方で、補助金制度の活用には正確な申請と誠実な運用が不可欠です。信頼できるITベンダー等と連携し、計画的かつ健全に制度を活用しましょう。なお、今回挙げた補助金の中には公募が一旦終了しているものもありますが、年度内で追加の公募が予想されます。定期的に情報を確認し、申請のチャンスを逃さないようにしましょう。


 エクスは製造業様向けのシステムメーカーとしてIT導入補助金を活用したシステム導入を数多くサポートしております。生産管理システム『Factory-ONE 電脳工場』やクラウドEDIサービス『EXtelligence EDIFAS』といった製造業様向けソリューションを多数お取り扱いしておりますので、補助金を活用したシステム導入を検討中のお客様はお気軽にご相談ください。
ご参考:IT導入補助金エクス特設サイト