結び目の無い脅威の糸作り

京都府にある村田機械株式会社(以下村田機械)に訪問させていただきました。

1973年にファクシミリ型式認可第1号を電電公社(現NTT)から獲得。
1987年には業界初の10万円を切る普及型ファクシミリM-1を発表するなど、
ファクシミリを一般に普及させる大きな原動力となった企業のルーツは繊維機器の開発にありました。
私たちが毎日身に着けている服や下着のほとんどは糸からできています。
糸はもともと無数の繊維からできています。
今回は村田機械の編み出した結び目の無い脅威の糸づくりに着目しました。

糸を紡ぐ「紡績」は最終工程に位置し、30年ほど前までは結び目がだんご状になり、
太さのばらつきや汚れなどが出ていました。
一本の糸に何十箇所もの結び目ができてしまい、編機や織機などの工程では結び目が引っ掛かり、
機械を停めるトラブルもしばしば起こっていました。
さらに生地になった後は、結び目が糸のほつれや穴明きの原因ともなりました。

村田機械は結び目のできない自動ワインダー用糸つなぎ装置「マッハスプライサー」を30年前に発表し、
(糸つなぎ)技術の研究開発をたゆまず続けています。
それでは、その技術とはどのようなものなのか。

まず、つなごうとする2本の糸を重ねます。

それぞれの糸の端っこが空気の力でピンクの穴に吸い込まれます。




糸はもともと無数の「せんい」をより集めて作るため、空気を強く吹き付けると「せんい」がばらけて、糸がほどけます。


ほどけた糸同士を重ね合わせて・・


もう一度空気を強く吹き付けます。


すると、見事にきれいな一本の糸になりました。




結び目もありません。


ちなみに結び目がある場合と比べると、これほどの差があります。


そしてその糸を実際に生地したものと比べると、これほどの差があります。


この技術は多くの繊維機械の進化に貢献し、そして製品流通まで含めて繊維産業全体に多大な影響を与えました。