グンゼ株式会社 インタビュー

季節の変わり目には体調を崩しやすくなるものですが、肌着は夏であれば汗を吸い快適にしてくれたり、
冬であれば体をあたためてくれたりします。人が体温調節をするうえでは最も身近なものではないでしょうか。
そんな肌着のことで私が真っ先に思い浮かぶメーカーがグンゼ株式会社。
明治29年に創業し、アパレルに留まらない事業も展開するグンゼ株式会社。
今回は、その長い歴史と昨今の消費者ニーズ、グンゼのものづくりについてインタビューさせていただきました。

【エクス編集員】
グンゼはどのように会社が立ち上がり、どのような歩みを経てきましたか?

【グンゼ 広報IR室】
創業者・波多野鶴吉が地域産業振興を目的に京都府何鹿郡〈現・京都府綾部市〉に
郡是製絲株式会社を設立しました。

社名もこの趣旨を反映させて"郡"の方針を意味する「郡是」と定めました。

そこから会社の歴史としては始まるのですが、弊社はその後色々な事業に

も派生していきました。
1934年にはストッキング、1946年にはメリヤス肌着の生産がはじまりました。

そして1954年にはミシン糸事業開始という様に、アパレルを中心に展開してきたのですが、
ストッキングを包んでいたプラスチック製の袋を
内製化しようという試みから、プラスチックフィルムの製造がはじまり、
アパレル以外の機能ソリューション事業も広がっていきました。

その後、そのフィルムにフッ素加工を施したエンジニアリングプラスチック。
例えば今で言うとOA機器などの搬送ベルトにあたる部分ですね。
そういった製品の製造にも広がっていきました。

メディカルでは体内で溶けてなくなるような糸であったり、人工皮膚を作ったりもしています。

あとは、ライフクリエイト事業として 国内にあった工場跡地を活用して
スポーツジムやショッピングセンターを展開するなどしております。

【エクス編集員】
グンゼさんといえば、色々な商品プロモーションが頭に残り、
知名度高いと思うので、他の事業においても信用度が高いのではないですか?

【グンゼ 広報IR室】
肌着のイメージが強いでしょうが、30代以上の方には100%に近い認知度があり、
「品質のグンゼ」、「安心・安全のグンゼ」というイメージを持っていただいていますので、
他の事業でも役立っていますね。

【エクス編集員】
キャッチコピーが変わったと思うのですが、これには何か意図がありますか?

【グンゼ 広報IR室】
ブランドステートメント「明日をもっと、ここちよく」ですね。
「品質」はグンゼの重要な財産として守り続けなければいけませんが、今や「品質が良いこと」はビジネスの前提条件です。
アパレル、機能ソリューション、ライフクリエイトの事業部門で共通する「グンゼらしさ」の目指すべき方向として「ここちよさ」というキーワードに着目しました。アパレルでは「着ごこち」、機能ソリューションでは「使いごこち」、ライフクリエイトでは「居ごこち」など全事業に共通してお客様に提供できるものです。

【エクス編集員】
そういった背景を元に、近年の消費者がグンゼに求めるニーズはどういったところにあると思われますか?

【グンゼ インナーウェア事業部】
少し時代をさかのぼって考えると通年、肌着は綿100%のものを求められる傾向が強かったのですが、
比較的近年はシーズンにあわせた機能をもつものなど、
どういった情況であっても、自分が着ていて気持ち良いものを求められる傾向が強いですね。

【エクス編集員】
デザイン面においてはいかがでしょうか?

【グンゼ インナーウェア事業部】
各年代によってお好みが変わると思いますが、ここ10年20年で考えると、
紳士もののボトムではデザイン性のバリエーションも増えてますね。
例えば若年層であれば「BODYWILD」で、デザイン性の高いボクサーブリーフが人気です。
また、この春50代からの男性に向けた「GRANDFIT」で機能性の高いボトムを出しましたが、
この年代の方もデザインにこだわることがわかりました。
一方では昔懐かしい白いブリーフをご愛用いただいているお客様も沢山います。

【エクス編集員】
そういったニーズを踏まえて、新商品もでてくると思いますが?

【グンゼ インナーウェア事業部】

これからの季節、旬な商品で言えば、
冬のシーズンインナー「HOTMAGIC(ホットマジック)」があります。
秋冬の時期となると、暖かくというのが主な目的になるわけですが、
その中でもスーツの下に着用するものと、アウトドア等で着用するものとでは、
求められている暖かさのレベルが違ってきます。
様々なシーンにあわせて、4種類のラインナップを揃えました。(図(1)~(4))
中でも(1)新マイクロモダールエアの商品は、
吸湿発熱性に加え、今回は更に着心地を追求したものになっています。









マイクロモダールエアーというとても細い繊維をつかっていて、とても柔らかく、
なめらかな着心地で、スーツやジャケットなどビジネススタイルのインに最適です。
従来より保温性も向上しています。

【エクス編集員】
こういった製品を開発し、販売に至るまでにはどのくらいの期間がかかるものなんですか?

【グンゼ インナーウェア事業部】

それまでの蓄積などもありますが、半年ほどの開発期間を要しております。
研究員が繊維の特性等を考えて編んでみたり、染めてみたりを繰返し、
一番ベストな組み合わせを求めて、作っては失敗を繰返し、日々努力の上で完成させております。


【エクス編集員】
グンゼの肌着は、歴史も長く。これ以上進化させる部分はあるのか?
と、思ってしまうのですが、今後進化させるとすれば、どういった部分が考えられますか?

【グンゼ インナーウェア事業部】
明確なことを答えるのは難しいですが、先ほども言いましたように、
肌着というものは、どのシーズンにおいても着ていて気持ちが良いものでなくてはならない。
そういった面がありますので、あえて言わせていただくならば、
世代を問わず「一日着ていて気持ちが良かった」
そういう風に思っていただける商品の究極を常に目指し、
つくり続けることが基本方針としてはございます。


~取材を終えて~
グンゼの肌着の歴史は本当に長く、綿生地の肌着に関しては総出荷数が億を超えるそうです。
明治29に創業、日本の戦前、戦後、高度成長期、バブル景気から現在まで。
肌着という最も人の生活に密接で、慣れ親しんだものが日本人の生活に快適さを与え、健康面をも支えてくれている。
「明日をもっと、ここちよく」グンゼの社員が一丸となり、これからもますます快適さを与えてくれるのだと思います。
当たり前のように身に着ける肌着、私たちの生活に「心地よさ」がありますようにと
切に願った企業努力が詰まっているということを、気付かせていただいた取材となりました。
これからもグンゼ株式会社の動向に目が離せません。

【グンゼ株式会社】