ソニービジネスソリューション株式会社 インタビュー

日本を代表する企業の一つとして頭に浮かぶのは?
と聞かれてソニーと答える人は多いのではないでしょうか。
ソニーといえば、斬新なアイデアが盛り込まれたコンシューマ向けの製品が注目される印象が強いですが、
今回ご縁があり取材させていただいた、ソニービジネスソリューション株式会社様のお話より、
その印象とは異なった取り組みがあるということを発見いたしました。

【エクス編集員】
ソニーで画期的なものといえば多数あり、遡ったものでいえばウォークマンのような製品がそうだと思いますが、
やはりコンシューマ向けの製品に力が入っているといった感じでしょうか?

【SONYスタッフ】
ウォークマンやプレイステーションのような
コンシューマ向けの製品ばかりではありません。

例えば弊社の扱うリチウム電池はここ20年来、福島県の郡山で生産を続けていて、
東北の大震災があったことにより、「福島のものを世の中全体に」という気持ちも込めて「メイドインフクシマ」と我々は呼んでいますが、そこで培った技術を活かし、日本の電力危機に対して貢献できるよう、業務用蓄電池をだそうじゃないかということで、今年の夏からESSP-3000シリーズといったものをリリースさせていただいております。

【エクス編集員】
こういった製品を生産、販売するにあたり、色々とマーケティング活動をすると思いますが、世の中のニーズを掴む作業で一番苦労することは何ですか?

【SONYスタッフ】
蓄電池に関して言えば、オフィスの業務継続計画「BCP対策」として提案するにあたり、
計画停電が有るのか無いのかによって、企業としての判断が分かれる事もあり、
原発の稼働状況など、国の政策に影響を受けることはありました。
また、危機管理対策としてお客様とお話しをする時に、あまり過度な不安を掻き立てるわけにもいかず、
その上で、必要性を理解していただくことはなかなか難しい面もあります。

【エクス編集員】
昨今、メディアで電力事情のことを話題に取り上げられることが多いですが、
やはりそういう状況に比例して、蓄電池のような製品の必要性を求める声が高まってきていると感じられますか?

【SONYスタッフ】
スマートエネルギーというこれからの重要な電力財産のひとつとして太陽光発電があります。
世の中では太陽光発電は、エコロジーに貢献しつつ売電もできるという面があり、
これからの電力財産の主流としてあげられていますが、
太陽光発電というのは天候に左右される面があり、発電量は不安定とならざるを得ませんので、
それをいったん蓄電池に溜めることで、発電した電気を、例えば夜間や曇りの日でも
安定的に使えるというメリットが生まれます。
そういった意味でも、単なる災害時などの危機対策だけではなく、
「発電」と共に、「蓄電」というキーワードは重要になってくると考えております。

【エクス編集員】
非常用の電気対策として、競合する商品もあるかと思いますが、
ソニーとしてこの商品の強みをあげるとすれば、それはどういった部分ですか?

【SONYスタッフ】
まず一つは長寿命。6000回の充放電を経過しても8割以上の性能を保持します。
単純計算で1日1回充放電したとしても10年~15年の寿命を期待できます。
その点は他社と比べて一つのポイントとなってきます。

もう一つは安全性。リチウム電池で発火するということも過去にはあったのですが、
今回、非常に発火リスクの低い、オリビン型リン酸鉄リチウムを採用し技術的な革新をし、
安全性についても高い評価を得ています。
国内で始めて、そして蓄電システムとしては世界で初めて米国の安全規格
「UL Subject 1973」UL認証を取得いたしました。
その点を評価していただき東京消防庁などにも納入することが決定しております。

あとは簡単に接続できて、すぐに使えるという面ですね。UPS電源(無停電電源装置)というものがあり、
それと一体型になった設計ですので一般のコンセントに差し込んで簡単に使うことができます。
海外製のものと比べると価格面は苦戦しますが、性能面に関しては絶対の自信をもっております。

【エクス編集員】
ソニーのイメージがそうさせるのでしょうか、蓄電池とはいえシンプルなデザインでかっこよく見えます。
そういったデザイン面での基準も御社では厳しく定められているのですか?

【SONYスタッフ】
コンシューマ向けの製品ほどではありませんが、
業務向けの製品もソニー製品として不格好なものは出すことはできませんので、
色合いであったりレイアウトなど、弊社の厳しい基準を満たした上でリリースさせていただいております。

【エクス編集員】
3.11の時に、電気事情で混乱していた時期がありましたが、あの時にこのような商品が既に普及していたら、
もっと混乱は防ぐことができたのかなあと思うのですが、そういった状況を経過した今、
買う側も蓄電池のような商品に注目するようになってきたのでは?

【SONYスタッフ】
災害を経験した人と経験していない人とで差が大きいですね。
やはり危機意識に対しての度合いも違いますし、計画停電が解除され、
「もう大丈夫ではないか?」といった楽観視している空気感は正直なところあると思います。

災害が起きてからでは遅いので、民間企業においてもボトムアップというよりもトップダウンで、
会社としての危機対策を考えるといった面で広まっていくように努力しているところです。

ただ国としては補助金政策も含めて復興予算とともに各都道府県に予算化されているところですので、
公共分野から「やっていかなければならない」といった感じは伝わってきております。


~取材を終えて~
子供の頃、テレビやラジカセ、ウォークマンなどソニーの新製品が発表される度に、
技術の革新に驚かされ、子供心ながらにジャパン・アズ・ナンバーワンの気概をもって育ちました。
今回お話を聞かせていただき、縁の下の力持ちの様な製品にもソニーの技術が注ぎ込まれ、
我々の生活を守る力となっていくことに、ソニーの底力を強く感じました。
これからもソニーの動向に目が離せません。

【ソニー/業務用蓄電池 ESSP-3000シリーズ】
http://www.sony.jp/pro-battery/