• 昭栄化学工業株式会社
        
    従業員数 541名 *<嘱託・契約社員等133名含む>
    資本金 4億8,000万円 *
    本社所在地 東京都新宿区
    設立 1956年4月
    事業内容 化学工業、電子材料の製造、販売業
      * 2025年7月現在
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利用製品サービス:EXtelligence EDIFAS


エレクトロニクス機器・部品のための導電ペースト、抵抗ペースト、絶縁ペースト、および粉末を中心に、各種電子材料を開発、製造している昭栄化学工業株式会社。2028年までに生産量・販売量共に2倍にするという“SHOEI 4050”というスローガンを掲げられ、生産工程の自動化・省力化による生産量及び販売量の増加に努められています。そのような取り組みの中、今回、クラウド型EDIサービス「EXtelligence EDIFAS(以下、EDIFAS)」の運用に至った経緯、また導入によって解決された課題についてお伺いしました。

段階的な導入、そしてサプライヤーのテスト協力で予想以上の改善へ

ー EDIFASを採用したポイントをお聞かせください。

3社を比較検討しましたが、他社システムは機能が豊富な反面、コスト負担が大きいという課題がありました。その点、EDIFASは弊社にとって必要な機能にフィットしており、無駄のないシンプルな設計でリーズナブルに利用できる点が採用の決め手となりました。また、RFP(提案依頼書)を事前に作成していたことで、必須要件等が整備できていたので、大きな迷いなく採択ができたと思います。

ー 導入はどのように進められましたか。

10か月間のスケジュールの中で、導入を3段階に分けて実施しました。まず、最も取引件数の多いサプライヤー2社を導入対象としてスタートさせ、次に取引件数上位6社への展開を進め、最終的には全体の約80%がEDIFASによる取り引きとなりました。

導入時期を段階的に設定したことで、問い合わせ対応に十分な時間を確保でき、社内およびサプライヤーの担当者様、双方にとって余裕をもった操作習得を進めることができました。加えて、最も取引件数の多いサプライヤー2社にはテスト運用にご協力いただき、当社担当者が直接訪問し、実際の取引データを用いたテストを実施することで、積極的な意見交換が行えました。これにより、社内のテストでは見つからなかった課題を発見できました。
結果、EDIFASから発行する注文書のレイアウトや受領書の発行方法など、サプライヤーの視点を反映した合理的な運用の改善にまで繋げることができました。また、業務をEDIFASに合わせるべく、取引先との取引条件を見直し、業務の標準化を進めれました。

システム連携の調整と運用定着を実現するまでの試行錯誤

ー 導入プロジェクトにおいて、より具体的なエピソードがあればお聞かせください。

今回、自社で利用している基幹システムとEDIFASをREST APIで連携させることになりましたが、情報システム部門はREST APIの使用経験がなかったため、ゼロからのスタートでした。EDIFASのマニュアルやサンプル資料は充実していましたが、手探りの状態が続き、相当な調査時間を要しました。基幹システムとEDIFASでは、データの粒度、業務フロー、用語の使い方など捉え方の違いがあり、運用でカバーするか、中間システムで吸収するか、あるいは基幹システム自身を改修するか、度々、判断する必要があり、認識を合わせた上で検討を進める重要性を痛感しました。

資材部では、EDIFASの機能を理解し、操作を習得するまで若干の苦労がありましたが、ほどなく習得できました。ただ、業務パターンを洗い出し、イレギュラー対応を含め運用ルールを整備することに苦労しました。また、整備した運用ルールに基づき、サプライヤーにシステム操作を習得いただくための操作マニュアルを作成しましたが、サプライヤーからは当社では想定していなかった、さまざまな問い合わせが寄せられたため、より適切な運用を目指して内容を適宜改善することに試行錯誤しました。

ー 導入効果をお聞かせください。

発注から仕入れまでの業務を効率化し、作業時間を大幅に削減できたことが、最も大きな導入効果でした。主に、①受注確認、②納期確認、③証憑と仕入れデータの照合、の各業務で所要時間を大幅に削減できました。まず、①受注確認業務は、従来、サプライヤーの注文受付状況確認を全て人手で行っていましたが、導入後は抽出条件の設定だけで容易に確認ができるようになり、1日あたり資材部全体で約240分かかっていた作業時間が約120分に、約50%の削減を実現しました。次に、②納期確認業務については、従来、全て基幹システムに手入力で登録していた回答納期を、導入後はEDIFASから自動連携で登録されるようになり、資材部全体で1日あたり約190分かかっていた作業が約100分へと短縮され、こちらも約50%に近い削減となりました。さらに、③証憑と仕入れデータの照合作業については、EDIFASのデータそのものを証憑と位置付けることができたので、照合そのものが不要となり、1日あたり資材部全体で90分程度の業務時間を削減することができました。
これらにより、発注業務全体で1日あたり約5時間(約35%)の作業時間削減を達成しました。

作業時間の削減効果以外では、サプライヤーからの納期回答率の向上が挙げられます。導入前はサプライヤーからの納期回答率は52%でしたが、EDIFAS導入以降は80%(約1.5倍)になりました。納期回答の速度、的確性、正確性など総合的に発注業務の質が向上したと考えています。

また、昨年12月にEDIFASの運用を開始してから、残業時間も徐々に減少傾向にあり、各担当者からは「受注確認状況が一目で把握できるようになり助かっている」「発注状況の確認に要する時間が大幅に減った」「他の業務に充てられる時間が増えた」など、前向きな意見が多く寄せられています。サプライヤーからの検収内容相違の指摘等に関しても、従来は担当者が1件ずつメールや電話で受付けて個別に訂正して終わりになっていた運用上のエラーが、一覧データ形式で容易に確認できるようになり、改善すべきポイントの可視化が進みました。
これらの効果を生み出した要因は、EDIFASを運用することで取引に関わる証憑やそのやり取りをデータ化できたことです。今回、データ化することの重要性を本当に実感しました。何か問題が発生したときや問題を調査・報告をする際に、人が手間をかけて情報を整理(データ化)すると、それだけで満足してしまうことがよくあります。手間を掛けずにデータを活用できる仕組みを作ることで、根本原因に対する改善方法の検討など、本来かけるべき仕事への時間を生み出せました。それこそが、EDIFASを導入した本当の価値だと感じています。

RPAを利用し、更なる業務効率化を目指す

ー 今後の取り組みについても、お聞かせください。

現時点でまだ時間を要している業務に対して自動化・省力化が推進されるように、『RPA』の活用を検討しています。具体的には、納期回答取り込み、納期回答督促、発注依頼者への納期遅延連絡などの業務が対象となります。また、小口取引先など発注の約20%はEDIFAS経由ではなく、電子メール経由で行われているので、来期は本業務をさらに効率化させる方針です。

ー エクスに期待したいことはございますか。

サプライヤーが操作に戸惑われた際、リアルタイムで画面共有できるような機能的サポートがあれば、よりスムーズにご説明を進めることができるのではないかと思います。


interviewee

資材部 木村部長様 、横石グループリーダー様、野﨑様、髙橋様
情報システム部 岡本部長様、古賀様、恩智様


エクス・営業からコメント
昭栄化学工業の皆さま、ありがとうございます。
大きな効果を創出されて弊社としても嬉しい限りです。今後も多くの課題に積極的に取り組まれる御社をサポートし、業務効率化に貢献していきたいと思っております。

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