配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。 原作はこうの史代。第13回メディア芸術祭マンガ部門優秀賞ほか各メディアのランキングでも第1位を獲得。綿密なリサーチによる膨大な情報と、マンガ表現への挑戦がさりげなく織り込まれており、その創作姿勢と高い完成度から多くのマンガファン・書店員から熱い支持を得ています。NHK『花は咲く』アニメ版でタッグを組んだ2人が再び結集し、新たな感動をお届けします。, クラウドファンディングで3,374名のサポーターから39,121,920円の制作資金を集めた本作。日本全国からの「この映画が見たい」という声に支えられ完成した『この世界の片隅に』は、長く、深く、多くの人の心に火を灯し続けることでしょう。100年先にも愛され続ける映画が、ここに誕生しました。, 18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。 これまで読んできた戦争の時代のお話とは少し違い、その時代の普通の人々の、普通の暮らしが丁寧にかかれていて、主人公のすずさんのほんわかした雰囲気が、身近に感じられたからだと思います。 !』(15/浅香守生監督)『リトル ウィッチ アカデミア』 (13/吉成曜監督)など。, すずの両親。海苔業を営んでいたが埋め立てにより廃業。現在は埋め立て地に出来た工場に勤めている。, すずの祖母。すずの叔父たち一家とともに広島の草津に住み、海苔業を営む。すずが子どもの頃、毎年夏になると着物を仕立ててくれた。, 北條円太郎の姉夫婦。周作とすずの結婚では仲人をつとめた。空襲で家が焼けてしまい、北條家に住むようになる。, アニメーション映画監督。1960年生まれ。日大芸術学部映画学科在学中から宮崎駿監督作品『名探偵ホームズ』に脚本家として参加。『魔女の宅急便』(89/宮崎駿監督)では演出補を務めた。T Vシリーズ『名犬ラッシー』(96)で監督デビュー。その後、長編『アリーテ姫』(01)を監督。TVシリーズ『BLACK LAGOON』(06)の監督・シリーズ構成・脚本。2009年には昭和30年代の山口県防府市に暮らす少女・新子の物語を描いた『マイマイ新子と千年の魔法』を監督。口コミで評判が広がり、異例のロングラン上映とアンコール上映を達成した。またNHKの復興支援ソング『花は咲く』のアニメ版(13/キャラクターデザイン:こうの史代)の監督も務めている。, 僕は、アニメの中で普通の日常生活の機微を描きたいと思っています。『この世界の片隅に』は、戦争が対極にあるので、毎日の生活を平然と送ることのすばらしさが浮き上がってくる。「日常生活」が色濃く見える。ふつうの日常生活を営むことが切実な愛しさで眺められる。これはたしかに自分がチャレンジしてみるべき作品だと強く思いました。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。, 広島市江波に生まれる。絵を描くことが大好きな女性。幼少の頃、ばけもんや座敷童子に出会う不思議な体験をする。18才で呉へ、北條家のお嫁にやって来る。夫の周作をはじめ、北條家を中心とした新しい暮らしが始まる。, 1993年7月13日生まれ、兵庫県出身。趣味・特技:ギター。絵を描くこと。洋服作り。本作でアニメーション映画初主演を飾る。, オファーを受けた時は、すごく本当に、とんでもなく嬉しくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらい嬉しかったです!映像を見させていただいたり、原作も読ませていただいて、すごい映画だと思ったので、ぜひやりたいと思いました。普通でいられる事が幸せだなあと思える作品だと思うので、そういう部分を感じていただきたいなと思います。そして、是非ご家族の方を誘って見ていただきたいです。大切な感覚を一緒に共有出来ると思うんです。, 北條家長男。海軍軍法会議所の録事(書記官)を勤める。幼い頃に出会ったすずを探し、結婚する。慣れない土地や環境で生活を始めるすずに優しく接する。, 広島県尾道市出身。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(15/長井龍雪監督)や『アルスラーン戦記』(15/阿部記之監督)、『亜人』(15/瀬下寛之監督)など出演作多数。海外ドラマ・洋画の吹替やナレーションなど精力的に活躍中。, 東京都出身。劇団青年座に所属し、『ブンナよ、木からおりてこい』などの舞台を中心に活動。海外ドラマの吹替などでも活躍している。, 周作の姪で、径子の娘。5才。すずと仲良くなり、ふたりで絵を描いたり船を見たりして日々を過ごす。, 2005年生まれ、アニメーション映画『アナと雪の女王』(13/クリス・バック監督、ジェニファー・リー監督)で日本語吹替版・アナの幼少期を演じ、注目を浴びる。TVアニメ『がんばれ!ルルロロ』(14~/児玉徹郎監督、うもとゆーじ監督)に出演中。, 周作の父。海軍の呉工廠に勤務する。どこかのんびりとしたムードで、家族を包みこんでいる。, 長野県出身。劇団昴に所属。主な舞台出演作に『アルジャーノンに花束を』(劇団昴)、『ら・ら・ら』(劇団朋友)、声優としてTV アニメ『昭和元禄落語心中』(16/畠山守監督)、『わしも-WASIMO-』(14~/川瀬敏文監督)、ディズニーアニメや海外ドラマの吹替など、幅広く活躍している。, 周作の母。足を痛めており、ひとりで歩くのもままならない。穏やかに温かく家族を見守っている。, 広島県出身。劇団「ナイロン100℃」に所属。舞台での活躍を中心に、実写映画『キューティーハニー』(04/庵野秀明監督)への出演や、声優としてTVアニメ『彼氏彼女の事情』(98~99/庵野秀明監督ほか)、『キルラキル』(13~14/今石洋之監督)などに出演。多彩な才能をみせる。, すずの小学校の同級生でガキ大将だった。海軍に入隊し、重巡洋艦「青葉」の乗組員となる。入湯上陸の際、すずに会うため北條家にやってくる。, 高知県出身。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(12~/津田尚克監督)、『宇宙戦艦ヤマト2199』(13/出渕裕総監督)、『おそ松さん』(15~16/藤田陽一監督)など数多くの作品に出演。主演作『黒執事 Book of the Atlantic』(阿部記之監督)が2017年公開予定。, 遊郭で働く女性。遊郭に迷いこんだすずを助け、仲良くなる。悩むすずに「この世界にそうそう居場所はなくなりゃせんよ」と声をかける。, NHK『天才てれびくん』シリーズでデビュー。ファッション雑誌「ラブベリー」の専属モデルとしても活躍。その後女優としてドラマ映画、舞台に活躍。近年の出演作としてWOWOW『沈まぬ太陽』(16/水谷俊之監督、鈴木浩介監督)、映画『スリリングな日常』(16/熊澤尚人監督)、『傷だらけの悪魔』(17/山岸聖太監督)の公開も控えている。, すずの一歳下の妹。幼い頃からすずと仲が良かった。女子挺身隊として陸軍の工場で働いている。いい仲の美男子の将校さんがいるらしい。, 東京都出身。2011年『HUNTER×HUNTER』(神志那弘志監督)の主人公役に大抜擢され本格的に声優デビュー。主な出演作に『俺物語! 『風の谷のナウシカ』(かぜのたにのナウシカ)は、宮崎駿による日本の漫画作品。アニメーション監督・演出家でもある宮崎が、徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品。 戦争 … 1985年発売)における名前は、ニューワールド・ピクチャーズ製ということで記号「NWP:」の後に表記する。こちらは現在は通用していないので、表記も太字で強調しない(※太字で強調しているのは現在の通用名)。, 産業文明の出現から1000年を経て極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから1000年余りが経過した未来の地球が舞台。以下、第1話の冒頭文を引用する。, 陸地の大部分は、植物や菌類の森「腐海」に覆われ、人類の子孫は腐海の毒が及ばない安全な地域を中心に暮らしている。風の谷は潮風が胞子の侵入を拒み、豊かな森林や水源、田畑などが残っているが、それ以外の土地は不毛な荒地が多い。また、海は「この星の汚染物質が最後にたどり着く所」とされ、すでに生物が生息できる環境ではなくなっている。最終戦争以前の高度産業文明は旧世界と呼ばれ、エンジンなどの遺物が発掘、利用されているが、その製造技術を始めとする高度な科学技術の所産は失われ、人々の生活様式は中世から近世にかけての水準まで後退している。「火の7日間」は半ば伝説となっており、世界を正しい道へと導く救世主の伝説が語り継がれている。, 種の存亡の危機に瀕しても人類同士の勢力抗争は続いており、作中ではトルメキアと土鬼の間で勃発した「トルメキア戦役」の模様が描かれる。居住可能な土地を巡る争いは、腐海の拡大を招くという悪循環を繰り返しても止むことはない。また、同族内でも王位(皇位)継承権を巡り権力闘争が続けられている。, 物語の終盤では、文明を衰退に追いやった諸々の事象が、世界を再建するための遠大な計画であったという真実が語られる。「火の7日間」は兵器としての巨神兵を使い世界を焼き尽くした戦争と伝えられてきたが、巨神兵の真の役目である裁定により、人類社会の荒廃を正すためには一度すべてを無に帰す他ないと、世界破壊が選択されたことが示唆されている。, 腐海に関しても、汚染された大地を浄化するために自然発生した新たな生態系であるとの仮説が否定され、自らの過ちを悟った旧世界によって人工的に創り出された一種の浄化装置(バイオレメディエーション)であることが判明する。世界が有毒物質に覆われる前に、人類を含む生物は毒に対しある程度の耐性をもつように作り直されており、ナウシカ達現生人類を含む劇中の生物は浄化後の環境では生存することができない。これらの知識と技術は、墓所の主や庭の主など、かつて作られた人工神により守られている。, 風の谷を始め、砂の谷やペジテ市など、腐海のほとりにある小国群。毎年多くの都市が腐海に飲み込まれ、人が住める土地が減っている。人口は少なく風の谷では500人程度。農耕を生業とする風の谷のような国もあれば、地下の遺跡となった旧文明の遺物を発掘して成り立っているペジテ市のような国もある。, トルメキアの同盟国だが、その関係は対等ではなく、トルメキアを宗主とする事実上の属領である。自治権の保証と引き替えに、戦時にはトルメキア王の召集令に応じて各国の族長が参戦するという盟約を結んでいる。, この地には「火の七日間」を経ても産業文明の技術を伝えるエフタルという巨大王国が栄えていたが、王位継承戦争やそれが引き金になって起こった3度目の大海嘯により、ナウシカの時代から300年前に滅亡した。国土の大半は腐海に没し、残った土地も以後小国に分裂し、トルメキアの宗主権下に入ったとされる。エフタル時代の遺物である高性能戦闘機であるガンシップを所有している国が多いため、トルメキアにとって貴重な兵力調達元となっていた。, トルメキアの南下作戦に際して召集されてクシャナ支隊に配属されたが、アスベルの襲撃や土鬼軍の罠により、トルメキア軍はクシャナの乗るコルベット単艦を残し全滅。辺境諸国は土鬼が辺境の地を狙っていることを知り、再びトルメキアに召集されることを嫌ってトルメキアとの同盟を破棄し、土鬼の襲来に備え再びエフタルの旗の下に集い連合を組む。, 連合の成立後、辺境諸族は各々の国名に加えてエフタルの民を自称するようになる。風の谷の場合「エフタル風の谷の民」となる。, ナウシカの言葉を「庭の主」が「古いエフタルの言葉」と表現するなど、エフタルと同じ言語を今でも使用していることが示唆されている。, 風の谷(英:Valley of the Wind)とは、主人公ナウシカの故郷である辺境の小国であり、辺境諸国の一つ。人口は500人程度。酸の海から吹き付ける風を風車で動力としながら、中世レベルの農業と採取活動により成り立っている。「海から吹く風様」と形容される潮風で腐海の胞子による侵蝕から守られているが、それでもわずかに届く腐海の毒は人々を確実に蝕んでおり、死産や四肢硬化を引き起こしている。族長の住む城の大風車で地下500メルテ(作中における長さの単位)から水を汲み上げ、それを貯水池に引いて寝かせてから沸かし、飲料水や農業に用いている。, 付近の砂漠には旧世界の宇宙船が廃船となって横たわっている。火の七日間の前にこの船が星へ行っていたことは迷信のように思われている。漫画版では廃船から超硬質セラミックを切り出すための鉱山町が造られていた。一方、映画では無人の遺跡であり、風の谷の人々がトルメキア軍との戦いで篭城するために使われた。, ペジテ市(ペジテし、英:Pejite, NWP:Placeda)は、都市国家の一つであり、辺境諸国の一つ。「火の7日間」以前の遺跡からエンジンやセラミック等を発掘しては加工供給する工房都市。巨神兵の骨格が発掘され、それを狙ったトルメキアの侵攻を受けたことが物語の発端となる。クシャナ率いるトルメキア親衛隊に滅ぼされ、避難民船も蟲に襲われ墜落し、アスベルひとりを残して全滅してしまう。, トルメキア(英:Torumekia)は、風の谷の東方に存在する王国で、辺境諸国を傘下に従えている。都のトラスはかつての巨大都市に寄生しており、数多くの超高層ビルが立ち並ぶが、いずれも廃墟である。高速道路跡らしきものも見える。現国王はヴ王と称し、子は3人の皇子と末娘の皇女クシャナ。ヴ王の居城はエレベーターも存在する空中宮殿。人々は現在のヨーロッパ系を思わせる風貌と文化をもっている。, 王族による過酷な王位継承争いが古くから続いている。ヴ王は自身の血筋を「我が血は最も古く、しかして常に新しい」と称しているが、これはトルメキア王家の歴史はもっとも古くから伝わっているものの、その地位は常に簒奪(さんだつ)され続けてきたことを表している。クシャナの母である王妃は「正統なトルメキア王家の血を引くのはクシャナのみ」としており、「正統な王家の血を引いていない」3皇子はヴ王の連れ子ということになる。3皇子とクシャナの対立は激しく、クシャナの軍事力を削ぐために彼女を支隊で南進させ、本隊(第3軍)をわざと不利な戦線へ派遣したり、無謀な作戦を実行させたりしている。敵に情報を漏洩するなど兄弟同士の争いも描かれており、トルメキア王家の紋章である「互いに争う双頭の蛇」は、これらの王家代々の骨肉の争いを象徴していると皮肉られている。, 3皇子が行方不明になったため、王位は崩御寸前のヴ王からクシャナに譲られたが、クシャナは「すでに新しい王を持っている」として生涯「代王」を名乗り、以後トルメキアは「王を持たぬ王国」になったとされる[8]。, 映画版では風の谷など辺境諸国との同盟関係は存在せず、風の谷へ突如武力侵攻を行った敵国という設定になっている。また、所在地が風の谷の西方になり、国号も「トルメキア帝国」に変わっている。, 土鬼諸侯国連合(ドルクしょこうこくれんごう、英:Dorok)とは、土鬼(ドルク)と総称される人々の部族国家の連合体である。風の谷の南方にあって、トルメキア王国と拮抗する。皇帝領、7つの大侯国、20余の小侯国と23の小部族国家での計51か国から成り立つ。土鬼の皇帝貨はトルメキアの貨幣より質が良く、戦役の影響で土鬼諸侯国領外でも通用するようになっている。, 神聖皇帝と、その下の官僚機構である僧会が国政を担っている。政教一致が強く、各侯国の族長が僧侶であったり、僧会が独自の軍事力である僧兵を保有したり、国政を儀式化している部分もある。神聖皇帝は皇兄ナムリスと皇弟ミラルパの兄弟だが、先代の神聖皇帝から超常能力を持つミラルパへ統治権が受け継がれ、ナムリスに実権はない。ミラルパは土民を支配しやすいように宗教を利用していたが、無神論者のナムリスは弟を謀殺して実権を奪回すると、僧会の権力を剥奪しその構成員の粛清を行った。国内でも部族間の揉め事が絶えず、内紛の火種を抱えた状態にある。その為、国の統治は僧会と神聖皇帝家に対する畏怖と崇拝、力への恐怖と尊崇による恐怖政治に依存していた。, 以前は「土王」と呼ばれるクルバルカ家が土鬼の地を治めていたが、時代が下るごとに圧政と狂気に満ちた政治になり、先代の神聖皇帝により追放・簒奪された。土鬼諸国の庶民の間には、いまだにクルバルカ家に対する崇敬や、先代神聖皇帝と僧会によって禁止されたはずの土着宗教の信仰が密かに残っており、僧会の布教と土着信仰が混同されているところもある。, 歴代の王が聖都シュワにある墓所の主と契約を結び、墓所に保存された旧文明の技術を利用している。このため、科学的にはトルメキアに対して優位に立っており、戦争でも墓所の持つ技術を利用し、腐海の植物を人為的に強毒化させたり、巨神兵を蘇生させるなどして戦争を有利に導くはずだったが、逆に自らの放った大海嘯に国土を飲み込まれ、沿岸部を残して瓦解した。一方で戦艦や浮砲台、飛行ガメの材料は木製や土製が主流である。, 墓所(英:The Crypt)とは、土鬼の聖都シュワの中心部にある旧世界の遺跡。深さ300メルテの堀と超硬度セラミック以上の硬さを誇る黒い外壁に守られている。歴代の土鬼王朝はこの地を征服すると必ずこの地に都を築いてきた。王朝のごく上層部の人間に対しては開放されているが、王が封印を命令すると、再び王が封印の解除を命じるか新王が現れるまで開放される事は無いとされる。, 中枢部にある肉塊は「墓所の主」と呼ばれ、「火の七日間」で焼き尽くされる以前の高度な技術を保存している。「教団」と名乗る科学者達が来たるべき浄化の時の再建の光となるべく、墓所の内部に住居を築き、墓所の主から提供された情報の解析・解読を行っている。彼らは人間の王を選定し、王が協力者である限り、技術提供をするという契約を結んでいる。これにより下級科学者を外部に派遣しており、彼らは博士と呼ばれている。外部の権力に従うことを良しとせず、相手の武装解除を交渉の条件としている。, 腐海(ふかい、英:Toxic Jungle, NWP:Toxic Jungle)とは、滅亡した過去の文明に汚染され不毛と化した大地に生まれた、新しい生態系の世界である[9]。「火の七日間」の終結直後に地上に出現したと語られており、その後は徐々に面積を拡大し、従来の生態系や人類の生存を脅かす存在となっている。, 腐海のほとんどは巨大な菌類がはびこる広大な樹海で、蟲(むし)と呼ばれる異形の動物達が棲んでいる。蟲や植物、粘菌といった種の枠すら超えた生物群集をなし、腐海ではいかなる菌類も単独では存在せず互いに共生・寄生しあって複雑な生態系を構成しているとされる。, 外部からの刺激により、蟲、特に王蟲の大群が腐海の外へと暴走し、津波のように押し寄せる現象を大海嘯と呼ぶ。大海嘯後は、王蟲の死骸を苗床として新たな腐海が誕生する[注 1]。腐海は自然発生した環境ではなく、千年前の人類が創り出した人工的な汚染浄化システムで、数千年かけて世界を浄化する目的がある[10]。, 腐海の植物は、風の谷にある人工林などに見られる本物の植物とは大きく異なる、現実世界の尺度で言えば「植物」とは到底呼べない形質を獲得してしまっている“植物”である。菌糸を体の構成単位とする糸状菌が主であるが、植物体の構造や生態は従来の真菌類とは大きく異なっている。顕微鏡サイズの微小な種から種子植物並みかそれ以上に巨大に生長する種まで、その大きさは多種多様で、大型の種は一般に、地中深く張った菌糸の根と幹、枝、葉に分化した地上部をもつ巨大な樹木となる。, 一般に「胞子」と呼ばれる物を空中に飛ばして繁殖する。成木がつける「花」と呼ばれる胞子嚢のほか、発芽時にも無数の胞子を放出するが、世代交代や生活環の詳細については明らかになっていない。胞子から発芽してしばらくは動植物の遺体を苗床として養分を得る従属栄養性であるが、生長後は葉緑素を持つ葉を展開し光合成によって養分を得る独立栄養生活を営むようになるものもある。, 腐海の植物は「瘴気」と呼ばれる猛毒の物質を大気中に放出する。そのため腐海では従来の動植物は一切生息できず、瘴気は腐海の周辺に住む人間の健康や作物の生育にも深刻な影響を及ぼしている。人間や家畜が腐海に入る際は瘴気マスクと呼ばれる器具を身につけなければならない。胞子の生命力は強く、腐海ではない場所に僅かでも胞子が入り込めばたちまち繁殖して、一帯は腐海に飲み込まれてしまう。このため、腐海周辺の人々は居住地に胞子を持ち込まないように注意を払っており、胞子は発見され次第、焼却処理される。, 風の谷の城の地下室で、ナウシカが腐海の植物の胞子を育てる研究を行った際、清浄な水と空気の中で水耕栽培した場合には瘴気を出さず、また大きく育たないことが判明している。瘴気の毒素は腐海植物が地中の有毒物質を無毒化固定する過程で生じた二次代謝物で、惑星全体を覆った有毒物質のごく一部であるとされる。腐海の植物群はその土地を無毒化しきると下層から次第に枯れていき珪化して砂になっていくが、それまでには1000年前後の長い時間を要する。こうして腐海の下層には、瘴気に満ちた上層部(樹冠)とは対照的な、静謐で清浄な空間ができる。腐海に墜落したナウシカとアスベルがさらに下層に落ちて目の当たりにした腐海の底の清浄な空間は、上記の作用によってできたものである。, やがて珪化を繰り返し、浄化された空間が徐々に上層へと登っていき、珪化した腐海植物群は崩壊して、浄化された土地が空の下に現れることになる。腐海植物は、最終的に自らが作り出した清浄な空気と土のもとで、後述のように瘴気を出さない小型な植物群となる(清浄な空気のもとでは死滅する描写もあり)。腐海の最奥部に形成されたこの清浄な土地のことを、「森の人」は秘密として守っている。, 本作における粘菌(ねんきん)とは、ヒソクサリが土鬼軍による兵器転用を目的とした実験の過程で突然変異したものをいう。従来の瘴気マスクが効かず、蟲さえも死に至らしめる猛毒の瘴気をまき散らしながら巨大なアメーバ状の体(変形体)で周囲の物を飲み込み、さらには大海嘯の直接的な引き金となったことで土鬼の国土に壊滅的被害をもたらした。最終的には飲み込んだ王蟲の群に付着していた腐海植物の苗床としてその大部分が吸収され、腐海生態系の一部として取り込まれる形で安定化した。, 腐海にはもともと微小な粘菌が生息しており、ナウシカもこれを研究していた。ナウシカはその経験から大海嘯の真の意味を理解するに至った。, 蟲(むし、英:Bug)は、腐海に生息する動物の総称である。作中における用字は「蟲」であり、腐海以外に生息する昆虫などは「虫」と表記され、区別されている。, 王蟲のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。その多くは体節制をとる外骨格の体に多数の関節肢を具えた、現生の節足動物に似た形態をしているが、顎は節足動物のような横開きではなく脊椎動物のように上下に開閉する構造を具えたものもいる。, 主に生息空間を基準に「地蟲(じむし)」「羽蟲(はむし)」「管蟲」という3種類に大別される。羽蟲は2対以上の翅を具えた飛翔性であり、地蟲と管蟲は地上棲か地中棲である。水中で活動できるものもいる。全ての蟲に共通する特徴として、瘴気の無い所では長く生きられない。蟲は基本的に卵生である。体の成長に合わせて脱皮を繰り返すが、変態に関しては完全変態するものから不変態型まで様々なタイプがいる。食性に関しては、他の蟲を対象とした狩りをしない種、すなわち捕食性の低い種が多いが、なかには高い種もいて、作中にも狩りの描写がある。なお、作中で「腐海の植物」と呼ばれている生物は、風の谷や現実世界で見られる植物とは異なり、菌糸で殖える分解者たる真菌類の形質を併せ持つ本作オリジナルの生物であり、これを食する蟲たちは現実世界でいう「植物食」ではない。蟲は強い光や高い音に敏感で、閃光弾や蟲笛といった道具で一時的に活動を停止させたり、行動をある程度誘導することもできる。, 真菌類的形質を兼ね具える腐海の植物と並んで、蟲は腐海生態系の主要な構成要素であるとともに、人々が容易に腐海に踏み込めないように配置された守護者でもあり、個体や種をも超えた超個体的意識(集合精神)を形成している。大型の種は一般に攻撃性が強く、種類を問わず他の蟲が外敵(主に人間)によって傷付けられると群れをなして攻撃を加えるため、腐海のほとりで暮らす人々の間では蟲を殺すことはタブーとされている。一方で危害さえ加えられなければ人間が腐海に侵入しても全く意に介さない。, 巨神兵(きょしんへい、英:God Warriors, Giant God Warriors, Giant Warriors, NWP:Fire Demon), 一部の人間や蟲、巨神兵、ヒドラに備わった超能力のような力。人間で使用できるものは少ないが一般にも認知されている能力でもあり、その能力は遺伝的なものであることが示唆されている。上述のようにこの世界の人間もまた、腐海、蟲、巨神兵、ヒドラを開発したのと同じ旧世界の技術により再調整された存在であることから、遺伝的にこのような能力を持った者が生じうる。[要出典], 文明崩壊によって多くの科学技術が失われており、電気や電子機器、水道、内燃機関などは使用されていない。乗り物は旧世界の科学技術の遺産である高性能な「船」と呼ばれる飛行機械が盛んに利用されているが、エンジンの部分だけは旧世界の遺物であり新造することはできない。陸上では映画版におけるトルメキア軍の突撃砲以外、トリウマなどの動物を利用する程度の移動手段しか残っていない。電話や無線等の通信技術も失われており、船上では信号旗や探照灯によるモールス信号のようなものや、伝声管などを使ってコミュニケーションを取っている。旧世界の名残から、硬化セラミックが金属に代わる一般的な素材として刃物や航空機などに使用されている。また、シリウスなどの星の名前や方角、ヴァルハラなどの神話に関する伝承は残されており、さらに活版印刷も普及している。, 本作中で「船(ふね)」と言えば航空機を指すのが通例。英語版では "airships" と呼んでいる。動力機関であるエンジンの製造技術はすでに失われており、現存するエンジンをレストアして船を建造している。腐海においても、瘴気が届かなくなる高度を保てばマスク無しでの飛行が可能であり、貴重かつ重要な輸送、移動手段とされている。なお水上を航行する船舶に関しては、トルメキア軍が海上から強襲揚陸艦型の艦船で揚陸作戦を行う、また大河を渡るために門橋が使用される描写があるのみ。, 『ルパン三世 カリオストロの城』の公開後、宮崎はテレコム・アニメーションフィルムの海外合作『名探偵ホームズ』『リトル・ニモ』の制作準備に関わりながら、次回作の構想を練るために多数のイメージボードを描いた。その中には『となりのトトロ』や『もののけ姫』の原案のほか、「グールの王女ナウシカ」「風使いの娘ヤラ」「サンド王蟲(オーム)」といった本作のモチーフも描かれている[注 3]。しかし、『カリオストロの城』の興業成績の不振により「企画が古臭い」というレッテルを貼られ、アニメ業界では不遇の地位に甘んじていた[19]。, アニメージュ編集部は『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』を通じて宮崎の才能に着目しており、1981年8月号において「宮崎駿特集」を掲載した。また、宮崎から『戦国魔城』と『ロルフ』 という2本の映画企画を預かり、徳間グループの映像会議に提出したが、原作が存在しないことを理由のひとつとして採用されなかった[20]。そこで、編集部はアニメ化への布石と誌面の話題作りを兼ねて、宮崎に連載漫画の執筆を依頼した。担当編集者の鈴木敏夫に口説かれた宮崎は、「漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を」[20]という条件で受諾。『ロルフ』にSF的な「腐海」という設定を加え[20]、『風の谷のナウシカ』の題名で執筆を開始した。, 連載開始時には『名探偵ホームズ』との掛け持ちで多忙を極めたため、第2話以降しばらくは鉛筆原稿のまま掲載された。宮崎は映画化の際には原作も終わらせることを考えたが、アニメーション作家として地位を確立した後も執筆を続け、12年かけて完結に導いた。, 連載途中(1992年)アニメージュ誌の締め切りまでに1ページ書き足りなかったことがあり、「いいわけ」としてその1ページ分を使って趣味の軍事ショー見学記の漫画が書かれたことがあった。最後のコマでは「おわび」の「び」の字を消して「り」に直し「おわり」としている。, いくつかの宮崎作品に見られる、自然と科学文明の対立、文明の破壊と再生がテーマとされ、公害や自然破壊などの環境問題や族内紛争、戦争への批判という側面がある。[独自研究?